文書作成日:2019/11/05


 契約の登場人物が誰かによって、手続きも税金の種類も異なります。




 夫が亡くなり、死亡保険金の請求手続きは完了しましたが、書類を整理したところ、以下の個人年金保険の契約が2本が見つかりました。いずれの契約も年金支給開始前です。それぞれの基本的な手続きや税金について教えてください。

<契約@>

  • 契約者(保険料負担者):夫
  • 被保険者:夫
  • 年金受取人:夫
  • 死亡給付金受取人:妻

<契約A>

  • 契約者(保険料負担者):夫
  • 被保険者:妻
  • 年金受取人:妻
  • 死亡給付金受取人:夫




 同じ商品名であっても、契約者・保険料負担者・被保険者・保険金等の受取人が誰なのかによって、手続きも税金の種類も異なります。




 今回のご相談の契約に関して、手続きや税金はそれぞれ次のようになります。

1.<契約@のケース>被保険者=契約者(保険料負担者)である場合

(1)手続き

 死亡給付金が受取人に支払われますので、保険会社に連絡の上、所定の請求手続きをとることになります。

(2)税金

 受け取る死亡給付金は、死亡保障の保険と同じように、夫のみなし相続財産として相続税の課税対象となります。

 そのため、受取人が相続人である場合には、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を適用できます。この場合の相続人とは、相続を放棄した人や相続権を失った人は除かれます。

2.<契約Aのケース>被保険者≠契約者(保険料負担者)である場合

(1)手続き

 保険契約では被保険者を変更することができないため、このような契約形態で契約者が先に死亡した場合、年金支払開始時の課税等を考慮し、遺産分割においては被保険者が引き継ぐ(=契約の権利を取得する)のが一般的です。

 そのため、保険会社には契約者が亡くなった旨を連絡し、所定の名義変更手続きをとる必要があります。

(2)税金

 個人年金保険において契約者が死亡した場合、“契約に関する権利”を取得した者の相続財産として、相続税の課税対象となります。

 “契約に関する権利”の相続税計算上の評価額は、契約にかかる解約返戻金相当額になります。この解約返戻金相当額は、前納保険料、配当金や剰余金を含み、源泉徴収されるべき所得税の額は除きます。

 なお、“契約に関する権利”は保険金ではないため、上記1.(2)のような生命保険の非課税枠を適用することはできません。


 このように、契約の内容をよく確認し、課税の取扱いを判断する必要があります。相続に関することは、当事務所へお問い合わせください。


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